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 増えるガン と 減るガン
 死亡原因第一位のガン
日本のがんによる死亡者は年々増え続け、
厚生省の統計では、1981年についに死亡原因の第1位となり、
その後も心臓病、脳卒中を引き離して死亡率は上昇を続けています。

しかも、1998年、がん死亡者は全国で28万4000人に達し、
全死亡者数の30%強を締めるようになりました。

日本人の3人に1人は、がんで死んでいることになります。
とくに40〜64歳の人の死亡者中でがんによる死亡割合が高くなっています。

また、がんにかかっても、死なずに助かった人もいますので、
実際にがんにかかった人の数は、死亡者数よりもずっと多くなります。

全国で実施されている地域がん登録の資料では、
がんにかかった患者数は

死亡者数のおよそ1.7倍なので、1998年代では全国での
患者数は約48万人と推計されています。
 減るガン 〜胃ガン・子宮ガンは減少傾向〜
日本人のがんの死亡率の推移を、がん部位別にみると、
胃がんは、現在なお患者数も多いがんですが
死亡率は男女とも、1960年頃から、明らかに低下傾向を示しています。

全がん中に占める胃がんの割合も、1950年ごろには約半分でしたが、
最近では、約4分の1に減っています。

女性では、子宮がんの死亡率が1950年ごろから、非常に低くなり
最近の死亡率は、もっとも高かった頃の約5分の1以下に下がりました。


女性ではまた、胃がん、子宮がんのほか、
肝臓がん、食道がんの死亡率も低下する傾向があります。

ただし、男性では肝臓がんは増加しており、
食道がんは横ばい状態をつづけています。

肝臓がんと食道がんで、死亡率がなぜ、
このような男女差があるのか、原因ははっきりしていません。


しかし両方のがんに共通する危険因子である喫煙と飲酒の習慣に、
男女差があり、それが原因のひとつでないかとされています。



減少しているがんの原因は

比較的制度の高い全国各地の地域がん登録資料によれば、
がんの罹患率 (がんにかかった人の数) と死亡率の年次推移とは
類似しています。

胃がんと子宮がん死亡率の低下の原因としては
胃がん検診、子宮がん検診の普及や、

がんの診断、治療技術の進歩により、
命が助かる患者が増えた事があげられます。

しかし、同時に罹患率も低下していますので、
救命率が向上したというだけでは説明がつきません。

罹患率の低下の原因は明らかでありませんが、
胃がんは、摂取食品、食品の保存方法(塩蔵から冷蔵・冷凍への移行)など、
戦後の食生活の変化が考えられます。


子宮がんについては、
女性の初婚年齢の高齢化、出産数の減少傾向、
風呂、シャワーの普及、栄養の改善など
ライフスタイルや生活環境の変化があげられます。

女性の肝臓がんと食道がんの死亡率の低下の原因は明らかではありません。


しかし、栄養の摂取状況の改善や、
肝臓がんについてはさらにB型やC型肝炎ウイルスの感染防止対策の
普及などが関係しているとされています。
 増えるガン 〜肺がん、大腸がん、乳がん〜
胃がん、子宮がん、女性の肝臓がん、食道がん以外のがんの死亡率は、
いずれも上昇する傾向を示しています。

肺がん、大腸がん、膵臓ガン、胆道がん、前立腺ガン、卵巣ガンなどは、
とくに死亡率が著しく増えています。

乳がんの死亡率も徐々にですが上昇しています。
なお、白血病や膀胱がんの死亡率は
ここ数年、それほどの変化はありません。



増加傾向のあるがんの原因

肺がん、大腸がん、胆道がん、膵臓がん、卵巣がん、
乳がん、前立腺がんなどが増えている原因は、
それぞれのがんにより異なるでしょう。


しかし、たばこの消費量の増加や食生活の変化
(とくに動物性脂肪摂取量の増加)、さらに診断技術の向上によって、
がんを見逃すケースが減少してきた事などが、共通の要因として考えられます。

わが国のがんの死亡率、罹患率の推移傾向を全体的にみると、
胆道がんの増加など、一部の例外はありますが、
欧米諸国のがんのパターンに近づきつつあるといえるでしょう。

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